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なぜニュースで『お米の平均価格』って騒ぐの?
新米の季節を過ぎても、毎週のように「今週のお米の平均価格が下がりました!」なんてニュースを見かけますよね。
そもそも『お米の平均価格』ってなんなのでしょうか?これは、主に全国のスーパーマーケット、約1,000店を対象にした平均販売価格です。
でも…ちょっと不思議に思いませんか?
お米は年に一度の収穫。農家さんの手間も燃料代も上がっているのに、収穫後も価格が頻繁に変動すること自体、なんだか不自然です。
実は、この「平均販売価格」の変動を裏で動かしているのが、「ブレンド米」と「輸入米」なんです。
この記事を読めば、スーパーで見るお米のパッケージに隠された秘密が分かり、ニュースの裏側に隠された「お米の真実」を知ることができますよ。
パッケージを見ればすぐわかる!お米の二つの顔
お米の袋には、「単一原料米」か「複数原料米」のどちらかが書いてあります。これは、食品表示法で決まっている、お米の素性を示す大切なルールなんです。
単一原料米:「素性がハッキリしている銘柄米」

これはどんなお米?
- 産地、品種、採れた年がたった一種類でできているお米です。
- 例:「福島県会津若松産 ゆうだい21 令和○年産」のように、誰が、どこで、いつ作ったかが明確です。
ここがスゴイ!
- 味が安定:銘柄特有の美味しさ(香りや食感)を純粋に楽しめます。
- 安心感が強い:生産者や育った環境が特定しやすいから、信頼して食べられます。
ちょっと残念な点
- 価格が高め:手間暇がかかっている分、ブレンド米より値段が高くなります。
複数原料米(ブレンド米):「いろんなお米が混ざって調整されたお米」

これはどんなお米?
- 産地、品種、採れた年のうち、一つでも違うものが混ざっているお米です。
- 例:「違う農家さんのコシヒカリを混ぜたもの」や「去年の米と今年の米を混ぜたもの」などがあります。
ここがスゴイ!
- とにかく安い:古米や安価な米を混ぜることで、家計に優しい価格を実現しています。
- 食感が調整済み:用途(例:お弁当、冷凍)に合うよう、粘りや硬さが調整されていることがあります。
ちょっと残念な点
- 味が不安定:ブレンド比率が変わると、購入時期によって味が微妙に変わる可能性があります。
- 中身が分かりにくい:どんなお米がどれくらい入っているか、消費者が全て把握するのは難しいのが現状です。
『お米の平均価格』は複数原料米(ブレンド米)と輸入米が押し下げている!
「新米は値上がりしているのに、なぜ平均価格は下がるのか?」
その答えが、「複数原料米(ブレンド米)」と「輸入米」という二つの存在です。ニュースで報じられる「お米の平均価格」は、市場に出回るすべてのお米を合わせた平均値であり、この平均値を押し下げているのが、以下の要因です。

国内産のお米だが、品種・産年はバラバラなことがわかります。
複数原料米(ブレンド米)による「安価な米」の活用
- 古米や等級外米が大活躍:複数原料米(ブレンド米)には、安価な古米(前年以前の米)や、粒が不揃いな等級外米などがコストカットのために積極的に使われます。
- 価格の「底上げ阻止」:これらの安価な米が組み込まれた複数原料米(ブレンド米)が大量に流通することで、市場全体のお米の平均単価がグッと引き下げられてしまいます。
さらに輸入米(外国産米)の追い打ち
- 安価な輸入米の流入:
- 海外で大規模に作られた輸入米は、日本産米に比べて安価に仕入れられます。
- この安価な輸入米は、主に業務用(外食産業)や加工用(米菓など)として大量に使われます。
- 複数原料米(ブレンド原料)としての利用:
- 複数原料米(ブレンド米)は、国内産米と外国産米の両方を混ぜることが可能です。安価な輸入米を混ぜることで、複数原料米全体のコストが下がり、結果的に市場の平均価格をさらに下げる要因となっています。
つまり、「平均価格が下がった」という報道は、企業のコストカットと、安価な米の流通が増えた結果であり、「新米が安くなった!」というわけではないのです。
あなたが本当に食べたいお米を選ぶために
ニュースや価格の変動に惑わされず、あなたが「美味しい!」と思えるお米を選びましょう。
| 選ぶポイント | こんなお米を選びましょう |
|---|---|
| 美味しさ・品質重視 | 単一原料米(産地、品種、農家さんの情報が明確なもの) |
| 家計と相談したい | 複数原料米(ただし、品質のばらつきは確認しましょう) |
| 安心感・農家さん応援 | 生産者の顔や栽培方法がわかる、特定の農家のお米 |
お米を買うときは、ぜひパッケージの「単一原料米」か「複数原料米(ブレンド米)」かを確認して、あなたが納得できる選択をしてくださいね!

